岡山フードサービス株式会社

プラスαで差をつける 繁盛店の主役は野菜!?

今回は「付加価値をプラスした野菜メニュー」がテーマ。京都で「おでん」「煮野菜」「焼き野菜」「漬け野菜」など調理法別の野菜料理をコンセプトにした業態を展開する㈱五十家コーポレーションの五十棲氏にご登場いただき、野菜の価値を主役級まで高めるメニュー開発と店づくりについて語っていただきました。ご講演後の試食会では、同社全面協力の元、お店のメニューを完全再現していただき、五感全体で野菜の可能性を体感しました。

 まずは、特徴的なコンセプトを持つ五十家コーポレーション全5店舗を弊社スタッフより訪問レポートという形でご紹介しました。普段は積極的に野菜を食べない営業マンも「野菜が美味しい!」「カワイイ!」と絶賛! 気持ち良い接客に感動するなど、お客様目線でお店の魅力をお伝えしたところで、代表取締役の五十棲 新也氏のご登場です。

 農家の後継ぎとして生まれ、自分の意志とは関係なく野菜や米づくりに携わる幼少時代を過ごした五十棲氏。その反動から、田舎を離れて飲食業の世界に飛び込み、独立を目指して働く中で信じられない光景を目にします。農家では、形が悪いなどで売れずに捨てていた野菜が飲食店でメニューの一品として提供され、さらにお客様から「美味しい!」と喜ばれていたのです。この経験が糧となって、実家や協力農家さんたちの朝採れ野菜を使い、調理法をコンセプトにした居酒屋のアイディアを一つずつ形にしていかれました。

 「苦手なことはFLコスト!」と豪語されるように、数字は大の苦手。しかし、どこにでも売っている野菜を「お皿の向こう側の情報を見せる」ことで差別化を図り、さらにスタッフの徹底した「人間力」で独自のブランドを創り上げていったのです。

 数字もなければマニュアルもない「五十棲流」ともいえるフラットな経営の中で、唯一のルールは「お客様がどうやったら喜んでくれるかを最優先に考える」こと。例えば、お店の中で私語を禁止することはしませんが、緊張感を持ちつつ柔らかい雰囲気をつくるために“ENJOY”という言葉を使い、「お客様のために楽しんで会話をしよう」とスタッフさんたちの意思統一を図っておられるとのことでした。

 自社の朝採れ野菜と他の野菜を食べ比べても違いが分からない人もたくさんいる。だから、「お皿の向こう側(農場やモノづくりの背景)を伝えることが大切で、お客様に喜んでいただくために自らの意志で動けるスタッフ力が必要なのです。そう語る五十棲氏の言葉はとても力強いものでした。

 講演後は、株式会社五十家コーポレーションの漬け野菜isoizm店長の本多氏と煮野菜おにかいの料理長宮崎氏のご協力の元、5店舗で出されているメニュー12品を試食していただきました。素材を活かしたシンプルな味付けの一皿や、肉や魚を引き立て役にした野菜料理に興味津々で舌鼓を打つ姿が会場のあちらこちらで見られ、賑やかな時間となりました。

 参加された皆さんからは「野菜を活かす本当の意味が分かりました」、「自店の野菜メニューの参考になりました」、「五十棲氏のお人柄がお店を創り上げていることが実感できました」などのお声をいただきました。提供している野菜の背景をしっかりと伝えたい、お客様を喜ばせたい、という強い気持ちがお客様にストレートに伝わり、長く愛されるお店になることを五感全体で学ぶことができました。

 忙しい中、メニューの仕込みから当日の準備までご協力くださった五十家コーポレーションの皆さま、ありがとうございました!

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