岡山フードサービス株式会社

ポータグルメから考える 飲食店の強みと未来像

今回のテーマは「外食店舗が手掛けるテイクアウト」。外食経営のオピニオン誌『フードビズ』の主幹で、日本の外食業界を長く見続けてきた㈱エフビーの神山 泉氏をお迎えし、外食・中食・内食の垣根がなくなりつつある今、外食産業だからこそ出来る「利便性」と「満足度」を両立させる『ポータグルメ』についてご講演いただき、弊社からも仕込み代行のサポート例をご提案しました。

 外食産業における一番最初の変化は、1970年に開催された大阪万博であったと語る神山氏。これを機に外食のチェーン化・産業化が一気に進み、全国にファーストフード等のチェーングループが増加。今まで日本の外食の中心であった個人店やレストランビルが次々に姿を消したと言います。その後もショッピングモール人気にともなうフードコートの出現や、テイクアウト・デリバリーの台頭により、外食産業は中食・内食との戦いを視野に入れる必要が生じました。
 神山氏によると、今もイートインや現金払いが主流の日本は、外食産業において後進国になってきているそうです。デリバリー強国の1国にも挙げられる中国は、猛烈な勢いで外食市場が成長しており、あと2~3年でアメリカの外食市場を抜くとも言われています。男女共働きの家庭事情に加えあまり料理をしない国民性も後押しをして、外食産業がデリバリー・テイクアウトに依存しないと成り立たなくなるほどに中国の外食産業は成長しています。

 このように世界から遅れを取り始めている日本の外食産業が次に着手すべき戦法は「ファストカジュアル」であると神山氏は述べられました。ファストカジュアルとは、「スクラッチ(店舗調理)」「カスタマイズ(選択肢の幅)」「サービス」をより重視した外食形態であり、日本でも丸亀製麺をはじめ、多くの企業が外食の主流であったテーブルサービスからファストカジュアルへ移行しているそうです。外食にとって最も大事なことは店舗における調理・サービスです。例えどんなにテイクアウトやデリバリーが波及し調理のほとんどを外注に頼る時代が来ようとも、最終調理だけは店舗で行うことが重要であり、それこそが外食ならではの良さを出せる部分であると強く語られました。

 講演後は弊社商品部の谷崎より、外食店ならではのテイクアウト『ポータグルメ』のメニュー提案・試食解説をはさんで、弊社の食品加工機能を活用した試食会を行いました。火入れ済み・カット済みなど仕込みを弊社のデリカ工場で代行したそのままの食材と、それらを実際にお店で最終調理まで仕上げたメニューをご試食いただきました。仕込み済み商品を使用することで、ビフテキやスペアリブ・鶏の香草パン粉焼きなど、様々なメニューを、神山氏の語られたようにお店では最終仕上げのみで多彩にアレンジ出来ることを実感していただけました。

 参加者の皆さんからは、「時代の流れも踏まえた話で解りやすかった」、「もっとテイクアウトについて勉強し、自社でも試したいと思った」などのお声をいただきました。目まぐるしく変化する食事需要への対応策として、外食産業だからこそ出来るクオリティとカスタマイズをウリにしたポータグルメにについて、改めて考える機会になりました。

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