岡山フードサービス株式会社

豚もおだてりゃ価値UP『脱・定番』の活用術☆

今回は、「脱・定番の豚メニュー」がテーマ。長年食肉業界で販売や企画に携わっておられる㈱サンリョウの小櫻 憲治氏を特別講師にお迎えして、低原価部位であるモモとウデをさらに活用すべく各部位の特徴や調理法について解説いただくとともに、弊社からも一般的な部位や調理法に囚われない、新たな豚メニューの提案を行いました。

 食肉の世界は深く、47年間業界に携わっていてもまだまだ勉強中だという小櫻氏。「この肉はどうしたらもっと美味しくできるのか」を考えながら様々な肉料理に挑戦し、日々肉の可能性を探求しておられるそうです。ご講演では、ロースやバラなどの定番部位ではなく、低原価部位をどう上手に活用して魅力的なメニューにするかに特化し、実店舗の事例を交えながら詳しく教えていただきました。

 1本約8kgのモモ肉は、一般的に4つの部位(内モモ・マル・外モモ・スネ)に分けられます。しかし、小櫻氏が企画開発に携わっている焼肉店「神保町食肉センター」では、あえて分割せずにモモ1本丸ごとを薄切りにすることで大判の焼肉スライスに仕上げているそうです。分割しないことで歩留まりが良くなり、安値で提供できるのだとか。その他にも、一般的なロースではなくモモを使った人気のとんかつ屋や、マルを使ったチャーシューが名物になっているラーメン屋などをご紹介いただきました。いずれも小櫻氏自身が出向いて、自分の舌で味を確かめたお店で、肉のプロならではの料理説明に皆さんメモや写真を撮りながら熱心に耳を傾けておられました。

 また、最近流行りの低温調理についてもお話いただきました。これまでに様々な部位の低温調理を試してこられたという小櫻氏。まずは肉を形成するタンパク質の変性温度や食中毒菌の死滅温度など、低温調理のメカニズムを知っておいた方が良いと言います。科学的な根拠を知っておくことで、部位・時間・温度をアレンジでき料理の幅が広がるのだと、楽しそうにお話しくださいました。

 小櫻氏のご講演の後は、弊社スタッフによる店舗視察レポートを行いました。低温調理した豚肉の専門店や、バーボンに漬けて熟成させた豚肉を使ったとんかつ店など、豚メニューが魅力的なお店を7軒紹介しました。その中でも、近年専門店が続々と増えている今注目のアメリカンソウルフード「プルドポーク」をピックアップしたレポートでは、プルドポークの基礎知識から、関東・関西でプルドポークを提供しているお店の食べ比べレポートまで、最新のトレンド料理をより深く掘り下げて紹介しました。

 その後の試食会では「脱・定番メニュー」をテーマに掲げ、とんかつやしゃぶしゃぶなどを定番部位ではなくモモとウデを使って仕上げた低原価高粗利メニューや、インパクト大の骨付きロース「トンホークのグリル」など、他店と差別化できるメニューを多数ご試食いただきました。店舗視察レポートでも紹介したプルドポークは、低温調理した豚スネ肉を使った弊社オリジナルバーガーとしてご用意。スプーンだけでホロホロと崩れるお肉とBBQソースがマッチした味わいに、「自店でもやってみたい!」とレシピのお問合せをいただくほどの人気でした。

 基礎知識から斬新な活用法まで、豚をトコトン学んだ繁盛塾に、参加者の皆さんからは「低原価な部位でも、調理法を工夫することで全く引けを取らない料理になると感じた」、「豚の魅力やメニューの可能性をもっと追及したい」など大満足のお声をいただきました。あなたも豚をおだててメニューの価値をUPさせてみませんか?

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