岡山フードサービス株式会社

コロナに負けるな!外食業界の未来を切り拓く座談会

今回のゲストは、肥後橋のミシュラン三ツ星レストラン『 HAJIME 』を運営する㈱ HAJIME&ARTISTESの米田肇氏。特別インタビューと座談会にて、独創的な料理の誕生秘話やコロナ禍での活動について、普段滅多に聞くことが出来ない米田氏の生の声で、詳しくお話いただきました!

 肥後橋に店を構える『HAJIME』は、オープンして1年5ヶ月というミシュラン史上世界最速で三ツ星を獲得した世界屈指のレストラン。米田氏は日々多くのお客様に感動を与え続けているこのお店のオーナーシェフです。

 メニューは5万円の1コースのみ。出てくるお料理はどれも芸術作品のような美しさがあり、それでいて素材本来の味が最大限に引き出された唯一無二の逸品です。そんな料理の根源には、幼少期に体験したふるさとの景色があるのだとか。春夏秋冬の移り変わりなど自然の中で美しいと感じたものをテーマとしてコースに落とし込み、それぞれの料理で表現されています。一品一品のクオリティを保つ上で欠かせないことは『数値化』だと語る米田氏。この食材の美味しさが引き立つ温度は46.6℃なのか、それとも46.9℃なのか、徹底して数値化することで米田氏の感覚を厨房スタッフと共有することができるのだそうです。研究者のような米田氏のこだわりが、お客様の感動に繋がっているのだとよく分かるお話でした。

 普段からFacebook等を活用し、多くの飲食店経営者の悩みに答え続けている米田氏。コロナが猛威を振い始めた頃、苦境に立たされた飲食店の話を聞き「このままでは外食業界が危ない!」と自ら署名運動を行い、政府へ働きかけたそうです。現在の補償に関しても、もっと海外の事例を参考にし、店ごとの経営状態や席数などを考慮すべきだ、と考えを述べられました。しかし、そんなコロナ禍であっても『目の前のお客様を感動させる』というサービスの根本は変わらないといいます。「必死にPRをするよりも、来ていただいたお客様に満足してもらえれば、その体験を周囲の人に話し、宣伝してくれるはずですからね」。この言葉がとても印象的でした。

 第2部では千房ホールディングス株式会社の中井氏と有限会社川端屋商店の川端氏、弊社ロマン亭事業部の古大工を交えた座談会を行いました。スタッフへの教育で心がけていることは?という問いに、自分たちが向かう方向を伝え続けることだと答えた米田氏。「600回は言わないと伝わらないだろうなと思って繰り返し言い続けます。もうプラス600回言ったら理解してくれるかな?くらいの気持ちで(笑)」。この言葉には多くの参加者が頷いておられました。

 その後、話は将来のビジョンに。今後人間と共存していくAIが完成すれば、建築士と大工さんのように、人間が料理を考え、AIが正確に料理を作っていく、そんな未来が見えてくるといいます。また宇宙食の開発にも携わっておられる米田氏は、「今はチューブ食が主流だが、宇宙には宇宙ならではの調理法があるかもしれない。いつかは宇宙に行って料理をしたい」と壮大な夢を語られました。

 参加者の皆さんからは、「米田氏の熱量に鳥肌が立った」、「飲食業に限らず、今後の日本社会の在り方まで考えるとても有意義な時間になった」など、絶賛のお声を多数いただきました。料理人でありながらも、研究者や哲学者のような多様な考えを持っておられる米田氏の活躍に、今後も目が離せません!

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