岡山フードサービス株式会社

ニューノーマル時代の常識となるか  課題解決に繋がる「M&A」活用術

年に一度の特別企画である今回は、『課題解決に繋がる「M&A」活用術』がテーマ。卓越した専門性と最先端のマッチング手法で、年間100組以上もの企業を繋ぐ㈱ストライクの代表取締役社長 荒井 邦彦氏を特別講師としてお招きし、ニューノーマル時代の常識となるであろうM&Aについてご教授いただきました。

 一昔前までは「乗っ取り」や「敵対的買収」といったネガティブなイメージを持たれることの多かったM&Aですが、近年活用する企業は増え、先行き不安が広がるコロナ禍でも、国内での取引は7%程増加しています。これはアフターコロナを見据え、自社の中核でない事業の手放しや体質改善、新事業参入のための買収を考える企業が増えたためです。明けない夜がないように、いつか終わりを迎えるコロナ後に目を向けた戦略が重要だと言います。今のうちに自社の価値を見直し、本当に必要なものの選択と集中を出来た企業が、今後業界の先頭を走っていくのではないかと荒井氏は語られました。
 テレビ業界の大手企業が、自社の弱みであるDX化の遅れを取り戻すためにWEB業界のベンチャー企業を買収した例や、畜産業を営む企業が、地元客に愛されつつも後継者不足に悩む飲食店の歴史を守るべく買収した例など、業界の垣根を越えてM&Aに取り組んでいる様々な事例をご紹介いただきました。

 第二部のパネルディスカッションでは、株式会社ユニバーサル園芸社の代表取締役社長 森坂 拓実氏と、弊社代表の岡山を交え、実体験から見えたM&Aの本質に迫りました。
 10年間で国内外12件もの買収を成立させた森坂氏。「世界一の園芸会社になる」という夢の達成にはM&Aが必要不可欠だと、時には単身で海外へ交渉に行かれるほど積極的に取り組み、企業を成長させてこられました。買収後の人材不足による失敗や資金繰りの方法など、多くの経験から得た学びを活かし、最終的に成功にもっていければ勝ちであると語られました。荒井氏もこの考え方に賛同され、M&Aは「投資」だと考えて、失敗しても大丈夫なところから始めることが大事だと補足されました。リスクのないところにはリターンもありません。産業構造の変化に合わせて、新しい事業や発想を取り込んでいくチャレンジ精神も重要なのです。

 また、「荒井氏の考えるM&Aの本質は?」という会場からの問いに、「会社同士の結婚のようなもの」と返答。会社は様々な人が集まって協力し合い、一つの成果を出す場です。人間が一人で出来ることには限界があるように、会社も一社では成長に限りがあります。しかし、別々に存在する会社同士が信頼関係を持って繋がることで、相乗効果が生まれ、生産性や収益性を高めることが出来ます。利益追求だけでなく、会社の歴史や人の想いも守り繋ぐことで、関わる全ての人々を豊かにしていくことがM&Aの本質であると語る荒井氏の熱い想いに、皆さん真剣に耳を傾けておられました。

 参加者の皆さんからは、「M&Aに対する考え方が前向きなものに変わった」、「自社の価値を見直すきっかけになった」などのお声をいただきました。今後、より身近で常識的な戦略となるであろうM&Aの有用性を見出し、自社の可能性を拡げるヒントになれば幸いです。

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