持続可能な農業を目指して 『丸ごと食べられるお茶』への挑戦
私たちは美味しくて安心安全な『人に良い食』を広げたいという想いから、一次産業に参入しました。第1ステップとして独自長期肥育鶏『さつま極鶏 大摩桜(だいまおう)』を開発、第2ステップでは大摩桜の鶏糞を堆肥として活用した農薬不使用の『丸ごと食べられるお茶』の生産を開始しました。今回はお茶に着目し、食べられるお茶を使ったメニューの試食を通して、お茶の秘められた魅力と可能性を探りました。
まずは弊社取締役の谷﨑より一次産業の取り組みと今後のビジョンについてお話しさせていただきました。
鹿児島県南九州市の知覧町にて肥育している『さつま極鶏 大摩桜』は、唯一無二のブランド鶏を目指し、2010年から開発をスタート。今では飲食店への卸売に加え、直売所での販売やオンラインショップを通して全国のお客様にお届けする商品にまで成長しました。この大摩桜の鶏糞堆肥を使った新たな事業として挑んだのがお茶の栽培です。かつてレジャー施設として利用されていた30haの広大な土地を南九州市より借り受け、2020年からお茶の生産を始めました。今後は更なる事業の拡大を目指し、柑橘や紅茶、スパイスなど多品種型農業に取り組む計画を進めています。
なぜ問屋である弊社が一次産業を始めたのか。その理由の一つは日本の農業の現状にあります。高齢化や所得の低さ、作り手の減少により食料自給率の低下が進む日本。私たちが根を下ろした南九州市も、過疎化や荒廃農地の増加といった課題を抱えています。このままでは日本が食糧危機に陥る日も近い…。そこで六次化を見据えた一次産業の参入に踏み切ったのです。「従来の農業を継承しつつも時代に合った技術や仕組みを取り入れ、100年先の未来まで続く美味しい食を守っていきたい。地元の農家さんと連携を取りながら地域の活性化に向けて取り組んでいきたい」と谷崎は熱く語りました。
次に第2部として、弊社企画開発の松田よりお茶の魅力と可能性についてお伝えしました。
最初に2種類の温度帯で抽出したお茶をご提供。抽出温度が高くなるにつれて溶け出すカテキンの成分量が増し、渋みを感じるようになります。温度によって味、香り、苦みが異なるのがお茶の面白さだと、飲み比べを通して体感していただきました。
お茶には5大栄養素と有用成分が豊富に含まれています。しかし、それらは液体として抽出することで約80%が失われると言われています。茶葉をそのまま食べると栄養を全て摂取できるのですが、通常お茶の栽培には多くの農薬が使われているため、体に悪影響を及ぼす可能性があります。そこで私たちは土づくりからこだわった無農薬栽培による安心安全な『碾茶』の生産に着手しました。碾茶とは抹茶の原料となるお茶で、抽出してお茶として飲めるのはもちろんそのまま茶葉を食べることも可能です。こうして『丸ごと食べられるお茶』が誕生したのです。「環境に負荷をかけない循環型農業を広めるためにも成功例を作りたい」とその意気込みを語りました。
その後、丸ごと食べられるお茶を使ったメニューの試食会を実施!メインからデザートまで、ビュッフェスタイルでお楽しみいただきました。
【丸ごと食べられるお茶 試食メニュー】(全13品)
① 碾茶ふりかけごはん ②梅こぶ茶葉ふりかけごはん ③碾茶クラフトコーラ
④抹茶ブラウニー 柑橘ピールと碾茶ソース添え ⑤和風碾茶ドレッシング ⑥洋風碾茶ドレッシング ⑦海老の茶ノベーゼパスタ ⑧大摩桜蒸し鶏の茶ノベーゼソース ⑨大摩桜の溶岩焼き碾茶バター添え ⑩碾茶クッキーと焼き芋マチャカルポーネクリーム ⑪茶麹の冷やっこ ⑫薩摩赤玉の茶燻製 茶麹をのせて ⑬茶葉チョコ
参加者の皆さんからは「丸ごと食べられるお茶という発想が面白い」、「お茶についての興味が深まった」、「お茶の可能性を感じた」など、嬉しいお声を多数いただくことができました。『100年先の未来まで美味しい食を繋ぐ』…当社はこの想いを持って、これからも新たな挑戦を続けます!