岡山フードサービス株式会社

いつものお米、正しく炊けていますか?日本の心「お米道」のススメ

ジャンルを問わず繁盛しているお店の特徴のひとつが「ごはんが美味しい」こと。 今回は、お米への変態的な愛情と知識で、数多くの飲食店に炊飯指導を行う、山下食糧株式会社 代表の山下 治男氏にご登壇いただき、正しいお米の扱い方から日本の米事情まで、お米について幅広く教えていただきました。

 山下氏はフランスアンティークのバイヤーから実家を継いで米屋になったという異色の経歴の持ち主。お米の知識が全くない中、前職で培った目利きの力でこれまでの米屋とは違った目線で、お米の販売と普及に取り組まれてきました。その活動のひとつが農業高校との連携です。現在、生産者の高齢化や販売先が保証されないなどの理由から、現代のニーズに合った新品種の開発や栽培方法の見直しが容易ではないのが実状…しかし、農業高校と連携することで、ナノバブルを使用した栽培や有機認証の取得など、利益を必要とする農家では挑戦しづらい新たな取り組みを、教育の一環として試すことができるのだそうです。

 主食と嗜好品の間を行き来する「お米」という食材は、「美味しい」を定義することが難しいと言います。様々な品種から、味・食感・効能のどれにこだわりたいかをしっかりと決めることが、自店のごはんに特色を出す重要なポイントだと山下様は語られました。

 ご講演の中ではお米の研ぎ方実演もしていただきました。「最初の水はすぐ捨てる」、「猫の手で米同士の摩擦を利用しヌカを落とす」といった洗米時のポイントを実際に目の前で見ることで、店舗でのオペレーションをより具体的にイメージすることができたのではないでしょうか。

 その後、幸福米穀㈱営業部長の稲山氏と弊社スタッフより、実際に店舗を訪問して取材したレポートを発表。稲山氏からは「米屋が見るお米にこだわりのある飲食店」を3店舗ご紹介いただきました。稲山氏曰く、①産地、②銘柄、③等級、④精米度合い、⑤精米プロセス、⑥分析数値、⑦炊き方の7つがお米にこだわる際のポイント。どのお店も、店内に精米機を設置する・食べ比べ出来るように複数銘柄使用するなど、重視する点を定めることで自店の特色を出していました。弊社スタッフからは「山下氏推薦のごはんが美味しい飲食店」を3店舗ご紹介。いずれもとんかつやお好み焼きといった自店のメインメニューが引き立つブレンド米を使われていましたが、洗米~炊飯におけるオペレーションは、継続できる形に落とし込んでいるのが印象的でした。美味しいごはんを提供するためには多くのポイントがありますが、全ての項目クリアを優先するよりも、自店に合った方法で継続することが何より重要なのだと感じました。

 試食会では、洗米時のポイントを押さえて炊いたごはんと飲食店で起こりやすい間違いを起こして炊いたごはんの食べ比べや、肉に合う・おにぎりに向いているなど、メニューに合わせた専用ブレンド米をご用意。いつも食べているごはんと食べ比べることで、洗米の重要性や専用ブレンド米の効果をより感じていただけたのではないかと思います。

 参加者の皆さんからは、「洗米や炊き方による違いの大きさにお米の奥深さを感じた」、「早速教わった炊き方を試してみたい」など、絶賛のお声を多数いただきました。たかがお米、されどお米。改めて見直す機会は少ないかもしれませんが、極めれば顧客満足を上げる付加価値素材にもなり得ます。そんなお米の可能性を存分に感じられた会となりました。

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