岡山フードサービス株式会社

バッドロケーションに価値がある!都会の経験が地方を変える 『食から始まる日本創再生』

年に一度の特別企画である今回は『地方創生』がテーマ。淡路島や出雲市で飲食店を中心とした1つの街を作り上げ、連日多くの観光客を呼んでいる、㈱バルニバービの代表取締役会長 CEO 兼 CCO佐藤 裕久氏にご登壇いただき、バッドロケーションの活かし方や、地域一体となる街づくりについて学びました。

 佐藤氏は、1991年に有限会社バルニバービ総合研究所を設立し、代表取締役に就任。1995年には大阪・南船場に1号店となるレストラン「アマーク・ド・パラディ」を出店され、人通りの少ないエリアを活性化させる“バッドロケーション戦略”で、数々の人気店を生み出してこられました。現在は、東京・大阪をはじめ全国に94店舗のレストラン・カフェ・ホテルを展開されています。近年は淡路島をはじめ島根県出雲市などでも「住みたくなる街づくり」をテーマに、食と宿を切り口とした地方創生に取り組んでおられます。

 そんな華々しい経歴を持つ佐藤氏ですが、27歳の頃、不運が重なり、家も仕事も失い、借金に悩まされる日々を送ったことがあるのだとか。このような経験は、まさかの事態に備えるきっかけとなったそうです。そこから必死の思いで借金を返済した直後、佐藤氏が学生時代を過ごした神戸の街を、阪神淡路大震災が襲います。廃墟と化した町で炊き出しのボランティアをされた際、うつむいていた人々が、食事をするときだけは笑顔を見せたといいます。その出来事をきっかけに、食で人を喜ばせることが自分の喜びになると気付き、飲食業界に飛び込んだのだと語られました。

 佐藤氏が飲食業を初めた当初は、家賃の安いバッドロケーションにしか出店することが出来なかったそうです。佐藤氏が手掛ける店舗は、そこがたとえ印刷工場や、駐車場として使われていた倉庫でも、まるで魔法がかかったかのように見違え、人々が集う場になります。「お客様に提供する商品に対しては、価格以上のものを提供しないと意味がない。お客様が1000円を払うなら1500円、2000円の価値を提供できなければいけない」。どの言葉からも佐藤氏の食に対する真っ直ぐな想いが伝わってきました。

 佐藤氏が地方に注目するようになった背景には2011年に起こった東日本大震災があります。「まさかの出来事は起こる」と想定し、出店地域を分散させなければならないと決意されました。地方創生の最初の一歩として選んだ淡路島では、最初はよそ者として地元の方からの苦言もあったそうです。しかしそこで諦めずに、廃校になった小学校でサキア祭という地域住民との交流の場を作ることで、徐々に友好を深めていきました。「このような活動が、地方創再生につながり、ひいては日本創再生につながる。自分たちの活動が、地方に根付く、3つのくつ『退屈、卑屈、窮屈』を覆すきっかけになる!」と熱く語られました。サキア祭は年々参加者が増えているとのこと。そのような活動が淡路島を出て行った人々の耳に届き、淡路島に戻るきっかけにもなっています。

 第2部のパネルディスカッションでは,㈱キッチンエヌ 代表取締役 中村 新氏と、弊社代表の岡山を交え、「地方創生」についてさらに熱いトークを繰り広げました。「地方に根強く残るいさかいを打開する方法は?」という中村氏の質問に対して「状況を変えられるのはよそ者しかいない」と答えた佐藤氏。地方の方は新しいものを嫌うが、そこに目をつぶって突き進むことができるのはよそ者だからである。例えば淡路島の綺麗な海も地元の人には見慣れた風景であり、それが当たり前だが、よそ者の自分たちは、そのことを見過ごさず気づくことができると、地方の可能性について熱弁を振るっておられました。また弊社の岡山も食糧自給率について言及。これからの日本の課題についても考えさせられるディスカッションとなりました。

 参加者の皆さんからは、「大変興味を惹かれる内容で、価値観さえ変えられるほどのお話だった」、「魂がふるえ、今日からの業務に改めてモチベーションが湧きました」、「地方創生や食糧自給率の熱いディスカッションに感銘を受けました」など、絶賛のお声を多数いただきました。数々のバッドロケーションでの地方創生を手掛ける佐藤氏の活躍に、今後も目が離せません!

関連サイト

TOP