岡山フードサービス株式会社

97%の未知なる海藻に可能性が眠っている!『食の未来を変える海藻の力』

今回は海藻の可能性に着目し、養殖技術の研究から料理開発まで幅広く取り組まれているシーベジタブルの友廣氏をお招きし、1500種にも及ぶ多様な品種や、海の生態系にもたらす効果、料理への活用事例などについてお話しいただきました。

 講演の冒頭、「皆さんは何種類くらいの海藻を知っていますか?」と会場に呼びかけた友廣氏。昆布、ワカメ、ひじき、もずくなど、会場からは誰もが知っている名前が上がりました。驚くことに日本の沿岸海域には1500種類もの食用できる海藻が生息していると言います。しかし、こんなにも種類がある中で、日本で日常的に食べられているのはわずか50種類程度。食べ方や調理方法には、まだまだ無限の可能性があるのです。
 
 様々な海藻の中でシーベジタブルが今一番力を入れているのが『海苔』です。栄養価が高く、日本人の食卓に欠かせない海苔ですが、この18年間で生産量が半分に減少しています。コンビニからも海苔巻きおにぎりが減り、今後は海外産に頼らざるを得ない状況なのだそうです。海の環境変化に伴い、栄養価が低く旨味のない海苔しか生産できず、海苔が売れないため生産者が減っていることが原因の一つ。日本の食文化を守るため、シーベジタブルでは6年前から海の環境変化に左右されない陸上養殖の研究を重ね、今年ようやく「黒海苔」の量産に成功しました。「今はまだ製造コストの面で問題もあるが、一番摘みの美味しい海苔が出来ている。生産拠点を増やし、各地に広めたい」と語られました。

 また友廣氏は、1時間海に潜っても1本も海藻がない海域が増えていると言います。海水温度の上昇により海藻を食べるアイゴやウニが活発になったことで生態系のバランスが崩れ、周辺の魚まで減っている状況です。この問題を解決すべく、シーベジタブルでは海面養殖にも尽力しています。海面に浮いたカゴで育てているため食害を防げるそうです。今では養殖をした海域に魚が戻ってくるなど効果が表れ始めています。現在では30種以上の海種苗生産技術を確立され、日本中の海を海藻で埋め尽くすことを目指されています。

 さらに、海藻の食文化を広めるため、料理開発にも力を入れています。百貨店とのコラボでは120店舗が海藻メニューを考案・販売、世界的有名レストランでも使用されるなど、シーベジタブルの取り組みに注目が集まっています。「皆さんの力を借りて、新しい海藻食文化を広めることで、海を豊かにしていきたい」と友廣氏は熱く語られました。

 その後、シーベジタブルの関根氏より、各海藻の特徴や試食メニューについて解説いただきました。また、今回メニュー考案にご協力いただいたレストラン『Genji』の岩田氏からは、乳製品との相性が良い「すじ青のり」を使用したババロアなどのレシピを紹介いただき、「開発をする中で海藻のイメージがガラッと変わった」と、新たな発見について語っていただきました。

 <試食商品 全13種>
①3種の海藻サラダ
②すじ青のりと魚介のババロア
③大摩桜の海藻カルパッチョ
④あつばアオサともやしのナムル
⑤スーナのツナ和え
⑥すじ青のりと溶き卵のスープ
⑦フライドポテト すじ青のり
⑧とさかのりのクリームコロッケ
⑨格之進さんこらぼ 若ひじきの金格ハンバーグ
⑩あつばアオサのおいなり
⑪若ひじきのおにぎり
⑫すじ青のり ミニタルト
⑬みりんのバスクチーズケーキ

 参加者の皆さんからは、「海藻=和食というイメージが大きく変わった。これまで食べたことのない海藻ばかりで、味や食感の違いに驚いた」「海の環境問題にもっと関心を持つべきだと考えさせられた」など、驚きと感動のお声を多数いただきました。

 海藻を研究・生産し、様々な企業と手を取り合いながら日本の食文化と海の豊かさのために尽力するシーベジタブル。その活動から今後も目が離せません!

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