年に一度の特別企画「進撃の鳥貴族から学ぶ 外食産業の未来」
今回は年に一度の特別企画ということで、鳥貴族の創業者である大倉氏をお招きしました!昨年は海外にも進出を果たされるなど、世界中で行列が絶えない大人気店を生み出し続けておられます。今回は特別講演とパネルディスカッションを通して、創業から40年を迎える今でもお客様に支持され続ける「鳥貴族」繁盛の秘訣に迫りました。

特別講演で大倉氏が語られたのは永遠の理念「うぬぼれ」について。理念推進部という部署があるほどグループ全体で大切にされているこの言葉は、まだ鳥貴族が6店舗だった頃に掲げられ、「たかが焼き鳥屋で世の中を明るくしていく」という「うぬぼれ」を創業から現在に至るまで守り続けてこられました。店頭の「うぬぼれ中」と書かれた看板は、これだけお店が増えた現在でも1枚1枚大倉氏の手書きだという事実にも驚かされました。
今や飛ぶ鳥を落とす勢いの「鳥貴族」ですが、開業当初は赤字続きの日々が続き、倒産のプレッシャーから食事が喉を通らなかったそうです。気持ちを奮い立たせるために居酒屋チェーン「村さ来」創業者の著書を心の支えにし、何度も読み返したと言います。また、「外食産業日本一」と書いた半紙を寝室の天井に貼るなど自らを鼓舞し、売り上げ不振の日々を何とか乗り越えられました。
大倉氏は、創業当初から大切にしてきた考えとして、「自分を信じ、絶対に成功すると信じ続けること」が重要であると述べられました。自分に自信を持てるからこそ、社員が信用してついて来てくれるのだ、と。また、「決断の判断基準が善であるか」を常に考えていると言います。京セラの創業者である稲盛 和夫氏の「動機善なりや、私心なかりしか」という考え方にならい、大きな決断をする際は「やろうとしていることは、社員は幸せになれるのか?」「社会に貢献できるのか?」「それは自分の名誉欲、欲望でやるのではないか」と心に問いかけるそうです。会社の利益優先ではなく、共に働く仲間を大切にしたいとう想いをひしひしと感じ、それが今の結果に繋がっているのだと納得しました。


第2部のパネルディスカッションでは、㈱力は宿る 代表取締役 谷村氏と、弊社代表の岡山を交え、大倉氏に様々な質問を投げかけました。オール国産へのこだわりについての質問には、「鶏は元々国産を使用していた。全商品国産を目指したのは、海外産が問題になり国内での不安が広がったことがきっかけ。鳥貴族は国産だという信用を勝ち取り、『チェーン店=安かろう、まずかろう』を払拭したかった。また、社員が誇りをもって提供できる商品は自信をもって提供できることにつながる」と、ここでも働く仲間の気持ちに寄り添った大倉氏ならではの答えが。
また、海外出店戦略については「インバウンド効果によって、海外でも鳥貴族のことを知ってくれている外国人が増えてきた。日本の人口が減少している中、海外出店へシフトしている」と述べられ、アジアは模倣されるスピードが速いため、他企業が追随できないよう出店スピードを速め、考えながら走る必要があると、その難しさについても語ってくださいました。
均一価格のメリット・デメリットについての質問には、「自分がお客様の立場のとき、お得品はどれだろう?と宝物を探すような楽しさ、面白さがある。また、価格が分かりやすく、食べた品数を覚えていれば計算もしやすい」とし、デメリットは「価格改定の際、お客様に値上がりしたことがすぐに伝わる。ニュースにも取り上げられてしまう」と笑いを交えて述べられました。
どの質問にも親身に、そして前向きな視点でご回答いただき非常に内容の濃いパネルディスカッションとなりました。


参加者の皆さんからは、「創業当初からの苦労と経緯は想像以上で驚いた。現在まで理念を貫いていることに感嘆を受けた」、「あっという間の時間だった。大倉氏の信念やエピソードを聞き、自分を信じてポジティブに仕事をすることが、改めて大切なことだと確認できた」、「飲食業界のトップを走られている方たちのリアルな業界の話や、今後の展望を知ることができてワクワクした」など、絶賛のお声を多数いただきました。
2030年までに海外での2000店舗体制を目指す㈱エターナルホスピタリティグループ。国内市場もまだまだ期待できるとし、見直しも進行中だと言います。焼き鳥チェーンの先駆者である同社の活躍から今後も目が離せません!

