店に人が集い、店が街に賑わいを呼ぶ 公園×食から生まれる価値創造
今回は、株式会社ゼットンの新業態『ボタニコ扇町公園』を訪問。代表取締役会長の鈴木伸典氏より、外食から公園再生に事業拡大された経緯についてご講演いただくと共に、お店で人気のお料理をご提供いただき、公園の中に「非日常」を生み出しロケーションを最大限に活かす、ゼットン流店づくりを体感しました。

近年次々と誕生しているパーク内レストラン。そこには単なる食事の場を超えて公園全体の魅力を引き出す仕掛けが溢れています。ゼットンが公園再生事業に着手したのは、2019年、東京の葛西臨海公園の公募で魅力向上事業者として認定されたことに端を発します。元々『店づくりは、人づくり。店づくりは、街づくり』を企業理念として掲げていたゼットン…、当初の依頼であった公園内のカフェをリノベーションするだけにとどまらず、BBQやアウトドアウエディングなど、複数のサービスやコンテンツを設計・運営することで、人が集まる場所に生まれ変わらせたのです。
その後も横浜の山下公園、愛知県の徳川園など、期待を超える成果を上げてこられました。これらの成功に共通するのは、その公園が持つ本来のポテンシャルを引き上げることで「日常の中にある非日常」を創出した、という点。「飲食+SOMETHING」によって、地域全体を盛り上げる街づくりへ繋げたのが功を奏したと鈴木会長は語られました。
「現場を見た時、とてもワクワクしました。この場所で自分がイメージするコンテンツを実現したいと強く思ったんです」
手掛けてこられたプロジェクトの経緯やサービスについて熱く語られる様子から、誰よりも鈴木会長自身が、この事業に高揚感をもって取り組まれていたのだということがひしひしと伝わってきました。
今回訪れた扇町公園は、2024年に再生を着手したばかり。梅田からほど近い好立地で、朝~昼~夕方~夜と訪れる世代が非常にバラエティに富む稀有な場所ですが、ベンチとわずかな遊具しかなく、発展の余地は大いにあります。『ボタニコ』という洗練されたレストランから始まったゼットン流の公園再生が、この先どんな道を歩んでいくのか、とても楽しみです!


ご講演の後は、オープン以来地元の女性客やファミリーに支持されている実際のメニューを体感させていただきました。オーガニック野菜など素材にこだわった前菜に、宮崎黒毛和牛100%のハンバーグ、最後にはサプライズでデザートのガトーショコラまでご提供いただき、料理の味やゆったり落ち着けるお店の雰囲気のみならず、スタッフさんの繊細で気の利いたサービスにまで感心しきりのひと時でした。
当日参加された皆さんからは、「街や公園の宝を見つけ活かすことでニーズを呼び込む、という点が心に残った」、「地域の特性を活かす考え方は、他業種でも参考にできると思う」、「自分が今取り組んでいる事業をどのようなアプローチで進めるか、大きなヒントをいただきました」など、鈴木会長の考えに賛同し学びになったというご意見を多数いただきました。
人手不足や物価高など、外部環境に苦しむ外食産業がこれから選択を迫られるかもしれない多角化への道…その一つの成功事例として、大いに勉強させていただけたのではないでしょうか。



