岡山フードサービス株式会社

現場主体の次世代組織 人がつむぎ輝く繁盛店

今回は、「人を活かす繁盛店の組織運営」がテーマ。福島や天満の2等立地でありながら、インパクトのある店名と店ごとに異なるコンセプトで、連日お客様が絶えない繁盛店を生み出している㈱クラマ計画の代表、佐竹氏にご登場いただき、上下関係のない画期的な組織運営やスタッフの主体性を高める具体的な仕組みについて、インタビュー形式で語っていただきました。

 大学で物理学を学び、大手電機メーカーに就職するも2年弱で退職。その後、アメリカの和食レストランで修業を積み、帰国後すぐに夫婦で大衆酒場を立ち上げる…そんな異色の経歴を持つ佐竹氏。若い夫婦2人で営む酒場「ちゃぶ」は、たちまち常連さんが絶えない人気店になったそうです。奥さんが引退後も1人でお店を切り盛りしていた佐竹氏は、「ともに働く喜びを共有できる仲間が欲しい」という想いから店舗展開を決意されたと言います。

 現在、福島・天満エリアをメインに大阪市内で10店舗運営するお店は、どこも個人店のような雰囲気が特徴的です。「あずき色のマーカス」「ジャックとマチルダ」など、独特の店名もさることながら、店内の内装やメニューも巷の居酒屋とは一線を画しています。そんな特徴的な繁盛店を作り出す秘訣は、クラマ計画独自の組織にあるのだとか。

 個人店最強説を掲げるクラマ計画では、店ごとに独自の世界観を売り出せる個人店の魅力と、資金的リスクを負わずに知識・技術の共有が図れる組織のメリットを最大限に活かす「組織的個人店集団」がコンセプト。組織であっても個人店の魅力を保つためには、社員の主体性と自立化を促す仕組みが必要だと考えた佐竹氏は、『非中央集権型経営』という組織の形に行き着いたと言います。

 上下関係のないこの組織では、店長はもちろん、マネージャーもおらず、店のことは各店のスタッフが自ら動き作り上げています。新メニューを出すときには、全社員が情報を共有できるチャットを用いてアドバイスを呼びかけます。料理経験が豊富な人、日本酒に詳しい人など、各個人の能力を共有することで、スタッフ全体の能力の底上げにもつながるそうです。この仕組みこそが、スタッフのやる気・主体性を伸ばすカギだと語られました。

 また、評価に関しては『相互評価制度』を導入しており、日頃から共に働くスタッフに関して「自発的に行動できるか」、「自分とは違う意見も受け入れているか」など50問以上の項目で評価・採点します。よくアドバイスをしたり、お客様への対応が良いスタッフへの評価は自然と上がっていく、そんな画期的なシステムを佐竹氏自ら開発されているのです。その他にも、売上成績の共有によるピアプレッシャーや、日次で自動的に更新される経費レポートなど、ITを活用した運営方法を実際の画面を見ながら説明していただき、参加者の皆さんも興味深く聞いておられました。

 講演の後には、競合ひしめく福島の地で人気を博している立ち飲み屋「路地裏アバンギャルド」へと移動し、古民家を改装した店内で、名物のだし巻きカツサンドやおでんを楽しみました。

 参加者の皆さんからは、「社員が笑顔でいることの重要性を感じ、改めて外食業態の形を考えさせられました」、「店の雰囲気、料理、人、全てにホッとできる。思わず『ごちそうさん!』と言いたくなるお店でした」など、嬉しいお声を多数いただきました。どのお店も現場スタッフさんの小さなこだわりが存分に活かされています。ぜひ一度訪れてみてください!

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