岡山フードサービス株式会社

今必要な「安心」を築く価値創造セミナー

年に一度の特別企画である今回は、『今必要な「安心」を築く価値創造』がテーマ。丸亀製麺を主力に国内外で約1700店舗を展開する㈱トリドールH.D. 代表取締役社長兼CEO 粟田 貴也氏を特別講師としてお迎えし、新型コロナウイルスにより激変する外食業界で明るい未来を切り開くための、経営者に必要な心構えについて語っていただきました。

 「全てはお客様の喜びのために」という想いでうどんから天ぷら、カフェに至るまで多種多様な業態を国内外で展開する株式会社トリドールH.D.の粟田氏。その出発点は一軒の小さな焼鳥店でした。お客様が来ず、閑古鳥の鳴く日が続いたそうですが、「何か出来ることはないか」と、試行錯誤を繰り返すうちに顧客の支持を獲得し、店舗数を拡大していかれました。ある日、香川県を訪れた際に讃岐の製麺所にできていた大行列を見て衝撃を受けます。お客様を引き付ける“出来たてという感動体験”に繁盛の極意を見出した粟田氏は、セルフうどん店と製麺所の融合業態として『丸亀製麺』を創業。『店内自家製麺』という新しい価値を提供することで人気を得たのをきっかけに、上場企業へと成長していきました。

 同社の経営理念にもなっている『Finding New Value.』という言葉は、外食業界に対する警鐘だと粟田氏は言います。お客様の価値観が多様化する中、先駆者のいるトレンドを追うよりも、新たな潜在的マーケットを掘り起こすことが重要だと考えられました。丸亀製麺のチェーン展開時にも、味にブレの出ない工業化を進めるのではなく、お客様の興味を引くため一点ずつ手づくりで提供することに価値を置いたそうです。お客様が何を求めているのかを常に考え、他社がやりたがらないことにも挑戦する姿勢が、企業の成長へと繋がったのです。

 第二部のパネルディスカッションでは、株式会社キッチンエヌ 代表取締役 中村 新氏をコーディネーターに迎え、丸亀製麺のコロナ対策に迫りました。「お昼には行列ができ、店内は混み合っている」というイメージがお客様に定着しているため、まず安心安全であることを知ってもらう必要があると考えた粟田氏は、店舗での感染症予防対策を謳ったテレビCMを放映。お客様のことを第一に考え製作したCMは、企業の実直さが感じられたと中村氏も絶賛しました。「コロナ禍でFinding(発見)したことは?」という問いに対しては、「人々はこんなにも急速に生活様式を変えていけるのだということに驚きと発見があった」と答えられました。消費者動向の変化には、経営戦略の見直しといった苦労だけでなく、新しい価値を掘り起こせる面白さがあります。今夏開発されたテイクアウト専用の氷うどんのような、お客様をハッと驚かせる出来事と話題性がリピーターやクチコミを生み、顧客創造・感動創造に繋がっていくのです。時代の変化を恐れず大きな夢を持つことで、現状を打破しなければという改革意識が生まれるという粟田氏のお話は、この困難な現状を切り開く勇気を与えてくれました。

 参加者の皆さんからは、「お客様に喜んでいただくことの重要性を再認識した」、「感動創造を元に大きな夢を実現されている姿に勇気をもらった」など、嬉しいお声を多数いただきました。まだまだ厳しい状況が続きますが、コロナ後を見据えて大きな夢を抱き、外食業界全体でこの難局を乗り越えていきましょう!

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