「価格」ではなく「価値」で選ぶ時代へ 進化し続ける最新ランチ戦略
今回のテーマは、素材の使い方や見せ方を工夫した“高付加価値ランチ”。2025年に調査された外食ランチの平均予算は1,250円と、価格は年々上昇しており「たまに外で満足できる料理を楽しむ」スタイルへと変化しています。そんなランチの最新トレンドをグルメブロガー・M三郎氏よりご紹介いただくと共に、価格別・シーン別のランチ実例をジャンルレスでご提案しました。

まずは、M三郎こと松村 輝幸氏にご講演いただきました。松村氏は食べ歩き歴30年。毎日の幸せの活力源となる「美味しいお値打ちランチ」を追及して、食べ歩いたお店はなんと約1万8千軒!2005年にブログ「Mのランチ」を開設以来、食べたランチを一日も休まず毎日更新され今年5月に20周年を迎えられました。
「ランチ1,000円の壁はすでに過去の話だ」と語った松村氏。価格で決めるのではなく、ちゃんと良いものを食べたいという需要がランチにも表れているといいます。大阪で一番有名なラーメン屋さんは1杯1,500円ほど。1,000円を超えたら売れないと言われていたラーメンでも、店主が素材から選び抜いた食材を使って、手間暇を惜しまず美味しさを追求し続けることで、多くのお客様に支持されています。人件費や原材料費が上がり続ける今、価格を上げることを恐れず適正な価格で、自分たちが本当に美味しいと思えるものを提供して欲しいと語りかけました。
次に巷で行列ができている“バズりランチ”を価格帯別にご紹介いただきました。その中で人気になりやすい要素として挙げられた「小皿で色々な料理が並ぶ定食」は、“必ず売れる”と言っていいほど人気店のテッパン。住宅街にひっそりと佇む定食屋さんが小鉢御膳を始めたとたんにSNSで話題を呼び、完全予約制にする必要が出るほど人気になった例もあるそうです。次々に映し出されるバズりランチの数々に、参加者の皆さんも写真を撮りながら真剣に話を聞いておられました。最後に、「価値」とは商品だけでなく、接客サービスや店内の雰囲気が必要不可欠であり、すべてが揃うことで良い口コミやSNSでの人気に繋がるのだと熱く語られました。


続いては、提案メニュー開発にご協力いただいたレストランGenjiの田中 福英氏より各メニューの解説と、弊社営業部の吉田より使用商材を仕込み代行機能と共にご紹介しました。価格・ジャンル別に提案したランチメニューの中で特に参加者の皆さんから反響が大きかったのが、2,000円ランチとして提案した「8品目の小皿御膳」です。トレンドの少量多品種は仕込みの手間が多く、ランチでの提供はハードルが高くなってしまいます。そこで、弊社の仕込み代行機能を活用し、カットだけでなく火入れや味付けまで済ませた商品を組み合わせることで、仕込みの手間を減らしました。国産牛の希少部位であるメガネ(骨盤周りの肉)を使用したチャーシューは、冷菜の一品だけでなく、チャーハンや麺類にも活用でき、調理時間が限られるランチでも+αの価値になるだろうと田中氏は語られました。
提案メニューの一部はご試食もご用意しました。鍋や煮込み料理に使うことの多い小腸に衣をつけて、カラッと揚げた小腸のから揚げは、中からジュワっと脂が溢れて一度食べたら虜になる逸品に。弊社のデリカ工場で火入れをした「豚バラ軟骨のとろととろ煮」は黒酢酢豚としてご提供。メニュー開発を担当した田中氏からも「どんな料理にも使いやすくて美味しい!」とお墨付きをもらいました。


参加者の皆さんからは、「松村氏の講演が価格別の紹介で非常に分かりやすく、自店で提供しているランチと何が違うのか比較しながら講演を聞いた」、「小皿での提供方法や珍しい部位のメニューが差別化の勉強になった」など、嬉しいお言葉を多数いただきました。今まで以上に満足度が求められるランチ。少しでもお客様の手間が省けて、差別化につながる商品を開発しながら、繁盛のお役に立つ情報を発信していきます!


