差別化の次ステージへ 付加価値素材『大摩桜』提案会
今回は生産者直営レストランとして2020年秋にオープンした「さつま極鶏専門店 だいまおう(梅田)」にて、『大摩桜』の商品提案会を行いました。弊社が鹿児島県の自社農場でゼロから生産にチャレンジした大摩桜の特徴をご紹介、鶏刺しとして生食で提供するための衛生基準について解説するとともに、他店との差別化を図れる大摩桜活用メニューをご試食いただきました。
まず、弊社商品本部長 谷崎より大摩桜の特徴についてご説明しました。大摩桜は当社の6次化事業の一環として、鹿児島県の知覧町で生産しているオリジナルブランド鶏です。一般的な鶏肉の3倍の肥育日数をかけ、最大10kgまで育てることで、厚み・弾力・甘みのある肉質になります。5年もの歳月を経て開発したこだわりの鶏を、もっとたくさんの方に味わっていただきたいとの思いから、2019年は農場の隣に直売所をオープン。鹿児島県独自の食文化である『鶏刺し』を提供し、地元の方に親しまれるお店になりました。そして、2020年8月には通販で全国へお届けするためにオンラインショップを開設。同時期に始めたインスタグラムや新型コロナウイルスによる内食需要の拡大も後押しし、15回もリピートいただく方がいるほどの好評を得ました。お客様と直接やりとりし評価をいただけることは生産者にとって大きな励みになると同時に、品質を守り期待に応え続けなければならないと気が引き締まります。直売所とオンラインショップでの実績から全国的な鶏刺しの需要を確信し、この度、飲食店向け生食用商品の販売も開始しました。
生食用の取り扱いにおいて最も恐ろしいのは『食中毒』です。施設別の食中毒発生率を見ると、飲食店が全体の71.1%と圧倒的に多く、中でも鶏などに常在するカンピロバクターによるものは全体の40.1%を占めます。カンピロバクター、サルモネラ、О-157といった食中毒の原因となる細菌は熱に弱く、十分に加熱することで殺菌が可能なため、鶏肉は加熱してから食べるのが一般的です。鹿児島県は鶏刺し文化を守るため、全国的に生食が規制される前から施行されている独自の『生食用食鳥肉の等の衛生基準』を導入しています。大摩桜もその基準に従っているのに加えて、細菌が存在する内臓に触れない方法で処理する『吊り下げ式外剥ぎ製法』も導入しています。こうした取り組みにより大摩桜は生食での提供が可能となっていますが、事故を防ぐためには店舗側も生食の衛生基準を理解し、専用の包丁・まな板の使用、器具の消毒・温湯殺菌、徹底した温度管理を行った上で、お客様へもリスクをアナウンスしていただく必要があります。関わる全ての人が徹底してルールを順守いただくことが重要だという話に、参加者の皆さんは熱心に耳を傾けておられました。
試食会では鶏刺しをはじめ、串焼きやしゃぶしゃぶなど、素材の魅力を存分に味わっていただけるメニューと、循環型農業の一環として大摩桜の鶏糞肥料で栽培した紅はるかを使用したスイーツをご堪能いただきました。参加者の皆さんからは、「なぜ生食が可能なのかが解かり勉強になった」、「鶏刺しは食感と甘みが良く美味しい」など、たくさんの嬉しいお声も!弊社の取り組む6次化事業と大摩桜について、より深くご理解いただける機会となりました。