岡山フードサービス株式会社

日本人のDNAに訴える新たな付加価値素材 生食用肉の真価を探る勉強会

 寿司や刺身に代表される「生食」は、日本独自の食文化として長年人気を博しており、顧客満足と共に利益もしっかり取れるジャンルです。今回は、歴史や文化といった生食の基礎知識を学ぶとともに、馬刺し・鶏刺しの生産者による産地状況や安全管理についての解説をお聞きいただき、それぞれのメニューをご試食いただきました。

 まず初めに、以前がんこフードサービスで商品開発本部長や副社長を歴任された、東洋サポーティング㈱ 代表取締役社長 中村 英輔氏より、日本の食文化や生食の歴史についてご講演いただきました。日本では、万葉集で鯛のお造りに関する歌が詠まれた記録があるほど、古くから魚を生で食べる文化がありました。日本は島国という立地で新鮮な魚が豊富に穫れる上、保存の際に使用する塩の精製技術も優れていたため、魚の生食が発展。生で食べることで水溶性ビタミンを損なわないため、栄養面でも重宝されました。

 また中村氏によると、料理は大きく2つに分類できるそうです。1つは『素材3割、腕7割』とされるフランス・中国系の料理。シェフに階級が設けられるほど、料理の良し悪しが調理スキルに委ねられます。そしてもう1つが『素材7割』とされる日本系の料理。「ご馳走」という言葉が、各地を駆け回って美味しいものを集めることを指すように、日本では昔から素材が重視されてきました。そういう点からも、日本人のDNAには素材を楽しみたいという感性が刻まれていると言えます。「生食を提供することで、料理のバラエティが増えるほか、お店の鮮度感・価値観を上げることができます。さらに見栄えと味がしっかり伴えば、顧客満足と売上のどちらも獲得できるでしょう」と、生食メニュー導入の魅力と可能性を示してくださいました。

 続いて弊社で取り扱う「ハーブ馬 馬刺し」「さつま極鶏 大摩桜」の生産者より、肥育方法や安全性について解説いただきました。
 ハーブ馬は、信頼できる取引業者より仕入れている、モンゴル産の馬肉です。飼料には、ホルモン剤や遺伝子組み換え農作物を一切使用しておらず、草原に自生する様々なハーブを食べることで健康を維持しています。加工は、日本の厚生労働省基準に基づき設計された工場で、徹底した衛生管理のもと行っており、安全で高品質な食品に与えられる国際規格「SQF」を最高レベルで取得しています。また、馬は牛や豚と比べて体温が5~6度高いため、寄生虫の発生が少なく、アレルギー性が低いことも生食に向いている理由の一つです。

 大摩桜は、弊社が鹿児島県の自社農場で育てたオリジナルブランド鶏です。一般的な鶏の約3倍の期間をかけ、広々とした鶏舎でストレスなく育てています。加工には、「吊り下げ式外剥ぎ法」を導入。天井から吊り下げた状態で焼烙殺菌、肉の剥ぎ取り、内臓の処理まで行う手法で、そもそも菌が存在する内臓に触れないため、独自の生食用食鳥肉の衛生基準を持つ鹿児島県で最も安全だと推奨されています。生産者の真摯な取り組みを知ることで、生食用肉の安全性を改めて学ぶことができました。

 素材解説のあとは、馬刺し・鶏刺しを実際に味わっていただきました。お造りには定番の醤油やゴマ油だけでなく9種のタレと8種の薬味をご用意。ほかにも魚のイメージが強いなめろうやカルパッチョといったひと手間加えるアレンジなど、5種類のメニューを馬と鶏の食べ比べでご堪能いただきました。
 参加者の皆さんからは「歴史から学ぶことで日本の食文化への見識が広まった」、「産地の様子を知ることで、生食への抵抗感がなくなった」といったお声をいただきました。今回の繁盛塾を通して新たなメニュー導入へのヒントを得るきっかけとなれば幸いです。今後も安心安全で美味しい素材をご提案していきます!

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